母の昭和を超えてゆけ

2008年生まれの娘に母が昭和の時代に読んだものを押し付ける

王さまシリーズ

寺村輝夫といえば王様シリーズ。理論社+和歌山静子のイラストで長く出版されてます。娘の学校では「かいぞくポケット」シリーズや「こまったさん」シリーズのほうが人気なようですが、こちらも手渡せば読んでます。

魔法使いのチョモチョモ (フォア文庫)

魔法使いのチョモチョモ (フォア文庫)

 

その昔は「王様シリーズ」とは銘打たれておらず、ほかの人による挿絵のバージョンも結構あって。

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ハアト星の花 (1967年) (創作S・Fどうわ)

なかなかかわいいイラストじゃないか!

和田誠長新太によるものもあって、このへんはまだまだ普通に流通しててさすがです。

ぼくは王さま (新・名作の愛蔵版)

ぼくは王さま (新・名作の愛蔵版)

 
おしゃべりなたまごやき (日本傑作絵本シリーズ)

おしゃべりなたまごやき (日本傑作絵本シリーズ)

 

寺村作品では目玉焼きのことをたまごやきっていうんですよね。

王さまシリーズの中で、お話ではなく言葉遊び的な「あいうえおうさま」というのがあります。五十音順に「あ」がつく言葉、「い」がつく言葉……がイラストと共に並ぶ、というやつです。

あいうえおうさま (理論社版新しい絵本)

あいうえおうさま (理論社版新しい絵本)

 

以前テレビの「探偵!ナイトスクープ」で、この本に関する依頼がありまして。それは「ら」のところに何なのかわからない絵がある、というもの。

その絵はこれ。確かになんだこれ!

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結局版元に確認して、「ライスカレー」だということがあっさり判明したのですが、そういえば漫画のサザエさんでも昔は「ライスカレー」って言っていたよね。となると、10年後ぐらいにはこの絵も

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「パンケーキがなんで『ほ』のところにあるの?」

と疑問に思われるようになるのかしらー。

フルハウス

NetFlixで『フルハウス』続編の『フラーハウス』が配信されたわけですが、一緒にフルハウスも持ってきてネトフリえらい! 

フルハウス -ファースト・シーズン- コレクターズ・ボックス [DVD]

フルハウス -ファースト・シーズン- コレクターズ・ボックス [DVD]

 

1987年放送開始なのでギリギリ昭和ですね。母は再放送のたびに見てたからもういいか、という気もしますがやっぱり娘にも観てもらいたい。というかそろそろ海外ドラマに親しんでもらいたいわけですよ。そしてもうちょっと大きくなったら犯罪捜査モノや法廷モノを一緒に追いかけようではないか!

で、1-1を観てみましたところ、ゲラゲラ笑っておりました。ジェシーおいたんの髪型とか、もはや古いとも思わないようです。無事受け入れられたので、以後順次視聴していきましょう。1話観た後でフラーハウスの予告を見せ、このおかーさんたちがさっきの女の子たちだよ、と教えてみたのですがよくわからなかったようです。もうちょっとフルハウスになじませてからだな。

とまあフルハウスはともかく、フラーハウス。内容にはそんなに期待してなくて、NHKフルハウス』の声優を全員揃えたネトフリやるじゃん、ぐらいな気持ちだったんですよ(そしてミシェルが出演しないために川田妙子が参加できない……)。

第1話は登場人物顔見せ&ルーチン紹介といった様子で特にドラマとしてどうこうというものでもなく。こんな調子で以前の作品を懐かしみながら続いていくのか……とうっすら思いつつ。

2話目以降は父親世代はゲストとして入れ替わり立ち替わり登場するだけになるということで、どうなっていくのか?と心配しましたが、全編を通して十分おもしろかったです。フルハウスのテイスト(いたたまれない気持ちになるほどゆるいギャグの演出など)を完璧に再現し、見事に成立した作品になっていました。調べてないけどスタッフ全員同じ人なの??というぐらい。

ただ、フルハウスとちょっと違うなと思った点は、「母たちと子供達」というより、「母たち」が主役で、フラーハウスで初登場となった子供達はまだまだ脇役っぽい印象だったこと。

というのも、フルハウスのストーリーのよくある展開としては

子供があさはかな行動をする→バレる→説教→わかりあってハグ

というものがあるのですが、この展開が少なく、DJ、ステフ、キミー3人のストーリーがメインとなることが多かったような。

アメリカ人って基本的に父と子の話が好きで、それは年長者が若年を教え導くってのが好きってことなのかなーと思うのですが、母と子にはそういうのは求めないのか、そもそもフラーハウスはあくまで「あの女の子たちのその後」を描く必要があったり、1シーズンの話数はフルハウスの半分だったりするためか、まあ第2シーズン決定したらしいのでこれからはまた違う展開があるかもしれませんね。

脇役っぽいと書いてしまいましたが、フラーハウスの子役たちも絶妙のキャスティングで、彼らの成長も楽しみです。みんなかわええ……

寺村輝夫

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どーん!と寺村輝夫全集。
「王さま」シリーズでおなじみ寺村輝夫
王さまシリーズはほのぼのですが、対象年齢が高くなってくる『アフリカの話』『なむくしゃら物語』のあたりはなかなかヘビーな内容だったように記憶しています。
まあその辺は娘が読むのはまだ先でしょう。
 
「ミリ子」のお話は、小柄な娘にぜひ読んでもらいたいが、「ミリ子」のあだ名の由来の一つ、「ミリバール」という単位がなくなってしまったのが残念。
ミリ子はチビなのに(ミリメートル)、台風みたいに猛烈なので(ミリバール)ミリ子と呼ばれている……という設定だったような。
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(写真は上記全集の『19 ミリ子の物語』より)
ミリ子は負けない (フォア文庫 B)

ミリ子は負けない (フォア文庫 B)

 
 
とか言ってたら思い出したんでついでに書きますが、↓こちらは赤ちゃん絵本なのですが、なかなかシュールな内容なのです。
うちにあるのは縦書きですが、今出ているのは横書きになってるみたいですね。
たまごのほん(全4巻セット)

たまごのほん(全4巻セット)

 

【(ふたごのたまご』ネタバレ】

2羽のひよこ(服を着るので擬人化されている)が取っ組み合いをするうちに目玉焼きになる。おしまい。
 
……せなけいことかも大概シュールなので、
赤ちゃん絵本というものはそういうものなのか。
 
娘が学校で借りまくっている寺村輝夫作品はこちら。かいぞくポケットのことは全く知りませんでした。
わかったさんのアップルパイ (わかったさんのおかしシリーズ)

わかったさんのアップルパイ (わかったさんのおかしシリーズ)

 
こまったさんのスパゲティ (おはなしりょうりきょうしつ 1)

こまったさんのスパゲティ (おはなしりょうりきょうしつ 1)

 
なぞのたから島 (かいぞくポケット 1)

なぞのたから島 (かいぞくポケット 1)

 

 

赤毛のアン

朝ドラのおかげでBSで再放送された赤毛のアン

1979年。当時録画なぞできるはずもなく、1回しか観ていないはずなのにとくに前半は手に取るように内容を覚えていてびっくりです。そしてテーマソングも本当にすばらしい! エンディングテーマの「さめない夢」で私は三連符好きになったと言っても過言ではない。

アニメ絵本もまだ普通に売ってますね。

赤毛のアン (徳間アニメ絵本)

赤毛のアン (徳間アニメ絵本)

 

通して観ていて驚くのは、アンの心象風景というか、川の流れに妖精たちが漂っているところをひたすら描くなど今ではなかなかお目にかかれない(のではないかと思われる)演出。視聴者は妖精とか木漏れ日とかをただぼんやり見るんですよ!

あと、アンは前半のまだ幼い頃はリンド夫人に怒鳴りつけたり農薬か何かをケーキに入れて焼いたりダイアナを酔わせたりギルバードの頭に石版を叩きつけたり屋根から落ちたりマリラのブローチ窃盗冤罪事件があったりと忙しいんですが、後半はすっかり落ち着いて受験勉強にはげみ下宿して学校に通ったりで小学生にはあんまりおもしろくないかもしれませんね。うちの娘は最後まで観ましたが、前半ほどには引き込まれてる風でもなかったかも?

で、その下宿暮らしのときに、アンが詩の朗読会に出場するんですよ。この回、アンが詩を朗読するのをひたすら聞くんですよ。しかも2回朗読するんですよ。しかも、当日たまたま来ていたという設定の(その回しか登場しない)女性詩人が飛び入りで詩を朗読するのもひたすら聞かされるんですよ。モンゴメリは詩も書いていたので彼女のオリジナルの詩なのだと思いますが、要するにモンゴメリの詩をただ聞くだけの回なんですよ! 子供向けのアニメで!

そういうのがアリな時代だったのか、アンが特別なのか。

しかし思い起こせばスヌーピーの映画とかも、途中にイメージ画像と音楽だけみたいなシーンが繰り返し挿入されるとか、こちらは映画なのでまたちょっと違うでしょうけど作家の芸術性みたいなのを追求する雰囲気がある時代だったのかなとも思います。

ちなみに、本の方で現在入手可能なもので、ダイジェストじゃなく完訳・総ルビなのは青い鳥文庫です。娘はやはり後半で興味を失って放置している様子です。 

赤毛のアン (新装版) (講談社青い鳥文庫)

赤毛のアン (新装版) (講談社青い鳥文庫)

 

母の実家には講談社赤毛のアンシリーズ全10巻(だったかな)が揃っているので、高学年になったらぜひ読破していただきたい。

赤毛のアン (赤毛のアンシリーズ)

赤毛のアン (赤毛のアンシリーズ)

 

篠崎書林の「ニュー・モンゴメリ・ブックス」も揃ってるよ! 「ニュー・モンゴメリ・ブックス」についてはこちらが詳しいです。

できる・できないのひみつ

できる・できないのひみつ (学研まんがひみつシリーズ)

できる・できないのひみつ (学研まんがひみつシリーズ)

 

小2女子の反応:「すっごいおもしろい! アララちゃんかわいい」

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私が持っていた1976年版は失われてしまったので改訂版を買い直したもの。

悲観主義者のなぞの外人「デキッコナイス」を共有したくて読ませ、内容は当然古いものの女の子は可愛いしで好評でした。 こういう絵柄ってもう受け継がれてないんですかね、なかなか洗練されてると思うのですが。

今も出ているひみつシリーズ的なものは、企業とのタイアップで学校などに寄贈され、一般販売はされてないみたいですね。こちらも読めばきっとおもしろいのでしょうが、やっぱり学研ひみつシリーズは傑作揃いだった、また普通に読めるようにはならないものか……。

それにしても76年版で「もうすぐできる」扱いだったリニアモーターカーがまだ開業していないことにびっくりだ。

小学生女子読書など

本の探偵・児童文学評論家の赤木かん子氏が著作で、

親の時代とは違うんだから、自分の好きな本を子に押し付けてはいけない
 と書いていたのを記憶している。
 
いやだーせっかく産んだんだから押し付けるー
 
幸いにして我が子は大抵のものは無批判に受け入れる間口の広い感じの女子なので、母が昭和の時代に読んだもの、ついでに映像作品もどんどん押し付けて、それを紹介してみようと思います。
彼女の反応は概ね
「おもしろかった」
「すごーくおもしろかった!!」
「女の子がかわいかった」
の3種類なので、とくにみなさんの参考になることは書けないと思いますが。
 
母、1972年生まれ。姉(1968年生まれ)や夫(1969年生まれ)のものもあるので平成は遠いです。