母の昭和を超えてゆけ

2008年生まれの娘に母が昭和の時代に読んだものを押し付ける

少女まんが入門(小学館ミニレディー百科シリーズ6)

キャンディ・キャンディを読ませてみたら大ハマりの小2女子(当時。今は3年生になりました)。

そこで読ませたのが、姉(1968年生まれ)の蔵書だったこちら。

小学館の漫画家の作品を元(各先生からのアドバイス多数)に、
顔、体、ポーズ、衣装、年代や職業のかき分け、背景の描き方、
そしてストーリー展開などを丁寧に教えてくれる本です!

萩尾望都

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竹宮惠子

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全体としては私の年代でも知らない作家さんが多数な状態ですが
2008年生まれ女子、絵柄の古さなどは気にならないようでいたく感銘を受け、
「しょうらいのゆめは少女マンガ家になることです」
と学校の提出物に書いていました。
マンガ家、ではなくてあくまで「少女マンガ家」だそうです。
そして毎日1ポーズ人物画をかいております。

この、「小学館ミニレディー百科シリーズ」、ラインナップはこんな感じ。

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当時うちにはほかに『おしゃれ入門』『手芸入門』『エチケット入門』がありまして、
小2のときにボタンを初めて自分でつけたのも、
ふすまの正しい開け方を知ったのも(実践したことはない)
このミニレディー百科のおかげだと思うとなかなか侮れないシリーズでした。
『おしゃれ入門』は買い直したものが手元にあるのでまたいずれ。

そして今ふと気がついたのが、カバー袖の「少年少女日本の歴史」シリーズの広告。

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少女向けシリーズでの広告なので、
登場する女性たちをフィーチャーした文言になってます。
へ〜今でもこういう広告の仕方してるんですかね?

ひみつシリーズ 科学物知り百科/コロ助の科学質問箱

先日の『できる・できないのひみつ』

と同じく内山安二作品のひみつシリーズ。 

科学物知り百科 (学研まんが ひみつシリーズ)

科学物知り百科 (学研まんが ひみつシリーズ)

 

初版は1973年。

こちらは、ストーリー仕立ての『できる・できない』とは異なり、1ページごとに4コマ漫画1本&1テーマ。

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相変わらず女の子がかわいいのですが、ネコもかわいいのです!

 

そして『コロ助の科学質問箱』はマンガではなく豊富なイラストで説明、という方式。

コロ助の科学質問箱 (学研まんがひみつシリーズ)

コロ助の科学質問箱 (学研まんがひみつシリーズ)

 

初版は1972年。あれ、これが一番早いんだ。

今持っているのは新訂版なので1992年の毛利さんが載ってる!と思ったが、娘はもはやスペースシャトルなど知らないのであった……。コンコルドとか。

 

とまあ、ほんとにひみつシリーズはすばらしいシリーズなのですが、さすがに内容は古くなっている部分もあるのでこれだけ読ませるというわけにもいくまい。

娘がはまっているのは、マンガではないがこのシリーズ。

たのしい!科学のふしぎ なぜ?どうして?3年生 (楽しく学べるシリーズ)
 

類書が多くてどうしてこれを選んだのかもはや定かでないのですが、まあイラストの雰囲気とかその程度だったような。ただ、同シリーズの「社会のふしぎ(3年生)」で、ナイチンゲールに触れたところで「天使」面だけでなく「データを作った」と、統計面も書いてるのがよかった。「データを作る」の意味が3年生にわかるのかどうかは不明。

それから、学習マンガではなく一般向けながらKindle版を買ったら(たぶん単行本も)総ルビだったので喜んで読んでいるのが『決してマネしないでください。』。

決してマネしないでください。(1) (モーニング KC)

決してマネしないでください。(1) (モーニング KC)

 

理系の大学の研究室で行う楽しい実験(?)と偉人たちのエピソード、理系男子の恋の物語。完結してしまってさみしい……。

書き文字にはルビないし、内容も結構難しいとこも多いと思いますが十分おもしろいようです。しかしニュートンが性格に難ありとか、従来の伝記を読む前に小学生がこれを読んで大丈夫か! でもこっちが真の姿だからいいのか! などと思いつつ。

ところで本作に登場する「有栖くん」、『ビッグバン★セオリー

ビッグバン★セオリー 〈ファースト〉セット(4枚組) [DVD]

ビッグバン★セオリー 〈ファースト〉セット(4枚組) [DVD]

 

のレナードにそっくりなので下敷きにしたキャラクターかと思ったけど、別にそんな情報は見当たらなかったのであった。

赤んぼ大将

来たるべき(?)「コロボックル」シリーズに向け、娘に半ば無理やり押し付けた『赤んぼ大将山へいく』『海へいった赤んぼ大将』。

表紙にはそれほど惹かれなかったようで、なかなか手をつけていなかったのですが、読み始めたら「おもしろーい!ページをどんどんめくっちゃう!」と最上級の賛辞。

たまたま国語で読書感想文をやっていたときだったらしく、「何か1冊持ってきて感想文を書け」という課題に「山へいく」を持って行くほど。

日記で映画を見たことを書くときにも「ひたすらあらすじを書いてから感想に移る」スタイルの娘(「『シンデレラ』のあらすじは先生ご存知だと思うよ……」と口を出さずにいられないほど)、いったいどうなるのか!?と思っていたのですが、案の定「書き終わらなかった人は居残りだって!」。

その後無事書き終えたようですが、いったい何を書いたのやら。感想文帰ってこないからわからないんですよね。

しかしこのチョイス、意識高いお子さんだと先生に思われたかもしれませんが、もし今感想文を書くことになったら彼女が選ぶのはこの辺だと思います。

まほうの国からママがきた!―わたしのママは魔女 (こども童話館)

まほうの国からママがきた!―わたしのママは魔女 (こども童話館)

 

まあこれもきっとおもしろいんだろうとは思います!

佐藤さとるコロボックル以外は結構揃っているので、コロボックルへの下地を作っていきたいです。なんでコロボックルはないの!?

ピカピカのぎろちょん

数年前にふとこの本の感想を探してみたら「トラウマ」「あれは夢だったかもしれない」てな感想ばかりだった覚えが。

娘に見せたところ、「……まだしまっといて……」と穏便に避けようとしていました。

ピカピカのぎろちょん (fukkan.com)

ピカピカのぎろちょん (fukkan.com)

 

上記は復刊バージョン。元は1969年(あかね書房)刊です。

私も小学校低学年のときに読んだきりで記憶も朧だけど、今だったらこんな企画通らんだろう!と思います。

・主人公の名前が出てこない(一人称として「アタイ」とだけ)。
・ある日戒厳令が敷かれて町中がバリケードだらけになって学校も休校に。
・広場にギロチンがある。

……なんだこの話。
しかも挿絵のこの画風。怖すぎだろ

詳しくは知りませんが日本の児童文学界も旧世代を総括し(童心主義を否定したとかその辺かしら違うのかしら)、実験的な作品が出てくる土壌となっていたのでしょう。
すごい時代だなー。
今の児童文学はどんな世相を反映しているのでしょうか?

それにしても小学生のころのトラウマ本が、時を経て自分の家に存在するという状況になろうとは。
夫の父(故人)の蔵書だったのですが、これも巡り合わせというものか。

点子ちゃんとアントン

学校の図書館便りに100字足らずの本の紹介が載るのですが、それを見て娘が「おもしろそう!」と。(たいてい言うのですが)

点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫)

点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫)

 

上記は実家にあるケストナー全集にあるのですが、まだ早いかと引き上げていなかった。でも夫の蔵書にこのバージョンがあるのだ。

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てん子ちゃんとアントン(子どものための世界名作文学24)(1979年)集英社

 

わ、1年ちょっとで6刷。人気のシリーズだったんでしょうか。ラインナップはこんな感じ。

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おなじみ、岡本颯子のイラストで「すっごくかわいい!!」と娘は相当気に入ったようです。話としては、個人的にはケストナー全集の中でも1、2位を争うぐらい印象の薄い作品です。薄いあまり何度も読んだにも関わらずあんまり覚えてない。

ゆくゆくは『飛ぶ教室』をぜひ読んでほしいので、原作のシンプルなイラストバージョンも読ませてなじませたいわー

岡本颯子

「かぎばあさん」シリーズの挿絵で有名な岡本颯子。

私が子供のころはほんとに売れっ子だったな〜と思っていたら、近所のそう大きくもない新刊書店で子供がひょいと選んだ本、岡本颯子作・絵でした。まだまだご活躍のようですね。

はっぱのきつねさん (すきっぷぶっくす)

はっぱのきつねさん (すきっぷぶっくす)

 

で、たいへん気に入った様子でありまして、うちにも岡本さん挿絵の本は何冊もあるので読ませてみました。

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ふしぎっ子ピラコ (1982年) (こども童話館)

小さな島のシャバ子(NHKおはなしシリーズ6)(1974年)日本放送出版協会

amazonで検索して出てくるシリーズは別の人のイラストの版)

女の子が活躍する話はやっぱり共感しやすいようで、「すっごいおもしろいよ」ともりもり読んでました。

で、それはいいんですけど、みなさん、この可愛らしい画風の岡本颯子が

白土三平の妹

だとご存知でした??

私は驚愕したんですけど! いやーこれって有名な話なの?

そもそもガロクラスタと児童文学クラスタはどのくらい被ってるのか?

意外と被ってるかも?

キャンディ・キャンディ

キャンディが一世を風靡したのはたしか幼稚園に通っていたころ。正直、細かいことはわからず読んでたような。娘も小学2年生になったということで、秘蔵のコミックスを(貴重本につき、一度に1冊ずつに厳しく限定)読ませてみました。

娘はまだ漫画といえば妖怪ウォッチ、ドラえもん、ちびまるこちゃんぐらいしか読んでおらず(従姉妹のちゃおを少し読んだことはある)、ストーリー漫画自体がほぼ初めて。外国を舞台にした大河ドラマにどう反応するか?

結果、のめり込んで読んでました! そうよ、まだまだこういう壮大なストーリーはいけると思うのよ! 学校での恋愛話ばっかりじゃなくてこういう漫画も出して!

後半は辛い展開が多く(母はもはやマクレガーさんの死でも号泣します)、「1巻が読みたくなった……」とポニーの家に癒しを求めながら読んでおりました。母もねー、子供のころは「スザナなんかほっときゃいいじゃん」と思ってましたが、大人になるにつれ「そうもいかないよね〜」と理解できるようになり、さらには「いや、お情けで一緒にいられてもね〜。別れは辛くとも新たな道がスザナにも開けたかもしれないじゃないか」と変化しておりますが、いちいち真剣に感想を抱きながら読んでしまうところがまたキャンディのすごさであると思うのです。

しかしこの年代の作品がいけるということが分かったので、フォスティーヌとかも買って読ませてみようかしら。

フォスティーヌ (1) (講談社漫画文庫)

フォスティーヌ (1) (講談社漫画文庫)